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建築事務所探訪

vol.

01

東京 / 神保町

川辺直哉建築設計事務所

挑戦を支える変化の場

2015.12.08更新

言わずと知れた世界一の本の街、神田神保町。連載第一回目を飾っていただくのは、書店が建ち並ぶ大通り沿いの商業ビルにある『川辺直哉建築設計事務所』です。 2015年に引っ越して来たばかりという事務所の扉を開くと、ビルの外観からは想像できないハイセンスなミーティングスペース。 空間にマッチした家具がレイアウトされ、整理が行き届きながらも温もりを感じるその空間は、川辺建築そのもの。風通しの良いオフィスで、ゆっくりと話を伺いました。

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まず、建築家を志したキッカケを教えて下さい。

何かセンセーショナルなキッカケがあったわけではないんですが…。 中学生や高校生の頃から、服飾やカーデザイン、グラフィックデザインなどものづくりには興味がありました。 その中で、当時、自分の部屋として与えられていた4畳半の部屋の模様替えをするのがとても楽しかったんです。 壁の色を塗り替えたり、ベッドの配置を換えたり。すると、同じ空間なのに、がらっと変わるじゃないですか。それがすごく面白くて。 今思えば大したことしてないんですけどね。笑 でもおそらくそれがきっかけになって、建築の仕事というものに興味を持つようになりました。 そんなキッカケから大学の建築学科に入り、色々と学ぶ中でさらに建築、意匠設計の魅力を深く知って決意を固め、また多くの出会いにも恵まれて、という感じで今に至ります。img_inquiry01_interview02

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これまでの事務所遍歴を教えてください。

独立したのは2002年。当初は、板橋にあった師匠の事務所の一角をシェアさせてもらう形でスタートしました。 その後、代々木、白金と移転し、2015年の1月に今の神田に引っ越してきました。 今回の事務所移転には、今後、今まで以上に様々なジャンルの仕事にチャレンジしていこうという中で、 働く環境も大きく変化させたい、という目的がありました。働く環境が変われば自ずと発想も変わりますからね。 特に、以前の代々木、白金は自分で設計した集合住宅の一室に事務所を構えていたので、次は集合住宅の中ではなく、 かつ、エリア的にも住宅地ではなく都市部にしようと考えていました。また、集合住宅であれば当然完成された空間の中に入ることになりますが、 今回は空間自体を創っていけるオフィスにしたいと思い、あえてスケルトンに近い状態だったこの物件に決めました。 リノベーションもあまり造り込みすぎず、自分で変化させていく余地を残して、働きながら空間も創っていけるようにしています。

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現在の事務所を紹介してもらえますか。

 

オフィスは、大きくワークスペースとミーティングスペースの2つの空間に分かれています。 ポイントは、あえて建築事務所然としないように、というのを意識しました。というのもミーティングスペースは、様々なお客さんを招いての勉強会や交流会のようなものができたらと考えていて、 おもてなしをするという意味において、明確な空間が必要と考えたんです。人の出入りが多くなれば、スペースを区切っていた方がスタッフも働きやすいですからね。
実際に働き始めて、区切られていることで、空間が整理され、より集中して発想できる環境になったと思います。ただ、あまりに整然としすぎているとかえって神経質になってしまうので、やりすぎないように気をつけています。笑 ミーティングスペースにあるテーブルやソファーは、自分でデザインしました。ショールームというわけではないですが、事務所を訪れたお客様が気に入ってくだされば、アレンジして販売もします。
一方、ワークスペースの方は中央に打ち合わせ用の大きなデスクをおいて、それを取り囲むように個人のデスクをレイアウトしています。 こうすればパーソナルスペースを確保しつつ、振り返れば皆がいるので、密にコミュニケーションを取りながら仕事に取り組めます。 こちらの空間も造り込みすぎず、いつでもレイアウト変更できるようにしています。こうしてみてみると未だに模様替えが好きみたいですね。笑

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最後に今後のビジョンについて教えてください。

 

先ほど「今まで以上にチャレンジしていきたい」という話をしました。 これまでは、新築の住宅や集合住宅などの設計を中心にやってきていて、もちろん今後もその軸を変えるつもりはありませんが、 チャンスがあれば様々なジャンルの建築を手がけていきたいと思っています。例えば、今カンボジアでは、病院の設計プロジェクトを手がけています。新たな分野にチャレンジしていく難しさもありますが、 そこを恐れずに飛び込んでいけば、自分の中に新たな視点をもたらしてくれますし、その視点は、自分の軸である住宅設計にも新たな変化をもたらしてくれると考えています。
そうした意味で、「変化を創り出せるフレキシブルな働く環境」であるこの事務所は、チャンスを与えられれば自分なりにやってみよう! という攻めの意志の現れでもあるんです。 ですから、事務所とともに、どんどんチャレンジを続けていきたいですね。5年後、まだこの事務所にいるかわかりませんが、自分がどう変わっているのか、楽しみです。img_inquiry01_interview11

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川辺直哉Naoya Kawabe

一級建築士
1970年
神奈川生まれ
1994年
東京理科大学工学部建築学科卒業
1996年
東京芸術大学大学院修士課程修了
1997年
石田敏明建築設計事務所
2002年
川辺直哉建築設計事務所設立
現在
東京理科大学、法政大学、芝浦工業大学、
広島工業大学、東京電機大学にて非常勤講師